◆プロット作品A-1


今回はYさんがリテイクを繰り返して、だんだん良くなってゆく様子を紹介するね。
以下の課題を受けて書き上げた<恋愛物のプロット>が
どんな風に変わってゆくかな?


課題:下の枠の高校生の日常的なシーンに<劇的な事件>、それに伴う<劇的な行動>、そして起こる<障害>とその切り抜け方法を交えながら、16〜24pほどのプロットを書きなさい。
ストーリーをどこから始めても構いませんし、エンディングに別のシーンをイメージしたりと自由に書いて構いませんが、必ず以下の@A状況を盛り込む事を条件とします‥


@主人公と友達はお互い好意を持っている。あるいは親友関係である。
Aクライマックスを経て、2人の関係に変化が起こる。

400800字程度で書いて下さい。文書でもメールでも構いません。チェックを受け、リテイクが出たら直し、またチェックを受けて次の課題に備えましょう!!



とある高校生が朝起き、学校に行って授業を受け部活を終え、帰りに友達とゲーセンにより、コンビニで買い食いをして家に帰った。



Dコース第二回 課題プロット1

  〔タイトル〕プロポーズ
  〔登場人物〕山田慎二(27) サラリーマン 川嶋めぐみ(23)山田の恋人 


会社で同僚の女の子から仕事を頼まれて断りきれない山田。時計を見ると6時少し前。

急いでデート待ち合わせ場所へ向かう山田。遠くにめぐみの姿が見える。
山田が誕生日にプレゼントしたワンピースを着てくれているめぐみ。
今更ながらその姿を見て“かわいい‥”とつくづく思う山田。
「今日こそ決めてやる!!」

山田に気付き嬉しそうに手を振るめぐみ。
今日行くレストランはめぐみがずっと行きたがっていた人気のレストランで、3ヵ月も前から予約していたのだ。

レストランで席に案内される2人。その時山田はめぐみと同じワンピースを着た女を発見しギョッとする。
しかし、まだめぐみはその事に気付いてはいない。
山田はめぐみから女が見えない様 、めぐみに女を背にして座らせようとするがめぐみが女の見える方に座ってしまう。
慌てて女の姿を遮る様ににめぐみの前に座る山田。

料理が運ばれおいしそうに食べ始めるめぐみ。山田はその間もめぐみが女の服に気付きはしないかときがきではない。
しかし、めぐみから女を遮るため微妙に体を動かす山田を変に思うめぐみ。
山田は「体がムズがゆくて‥」と言い訳するがその時女が2人の方へ歩いてきて…。
周りの客が横目でめぐみと女を交互に見る。

女が自分と同じ服を着ているのに気付き、顔を真っ赤にするめぐみ。
めぐみと山田は無言で食事を食べ続ける。
気まずいムードの2人。

店を出てめぐみを送ろうとする山田に激怒するめぐみ。
「どうして服の事、最初に教えてくれなかったの」
「あの店、3ヵ月も前から予約してめぐみが楽しみにしてたから…」
「慎二のくれたこの服のせいで私がどれだけ恥ずかしい思いをしたか!!」
めぐみから平手打ちされる山田。
突っ立っている山田に「何とか言いなさいよ」と怒鳴るめぐみ。
「ごめん、めぐみ。俺はめぐみに恥ずかしい思いをさせ、傷付けてしまった。
 …だから、だからこの償いは俺の人生をかけてさせてもらってもいいかな?」
驚いて無言のめぐみ。
「結婚して欲しい」
それまでの緊張がプツリと切れたようなめぐみ。「なによ‥なによこんな時に…」
涙声のめぐみが山田の胸にもたれ込み、固く抱きしめあう2人。

帰り道、「さっきは半分しか食べた気がしなかった」と言うめぐみに「じゃあラーメンでも」と山田。
少し考えて「その服が気に入らないなら今からどこかで脱いでくれてもいいけど…」
ネオンの中へ消えていく2人の後姿。

注)Yさんの希望により、設定は変えて書き上げてもらってます。

【添削】
@山田がなぜ、誕生日に告白できなかったのか分からない。
誕生プレゼントを渡すタイミングよりも、人気のレストランで食事の後に告白の方が有効だと判断したのか?
プレゼントも山田が選んだのであればそれなりに事前にリサーチし、彼女が欲しがっていたブランド物である可能性も高いはず。むしろその日の方が絶好のタイミングである気がするのは私だけでしょうか?

A山田、めぐみ共に読者に受け入れられるキャラではない‥
山田は機転の利かないコソコソした男です。
めぐみはせっかくもらったプレゼントなのに「恥ずかしい思いをした‥」などど彼氏をなぐる最悪の女です。
Yさんはこの2人、もしくはどちらかにかっこよさやかわいさ、あるいは自分の理想像を見て取れますか?

B「何よ‥こんな時に‥」まさしくこんな時‥です。
まったくもって山田はタイミングが悪い男です。
また、この状態で告白をスムーズに受け入れられる女性がいるでしょうか?


やはり、キャラクターです。
“同じワンピースを着た女性”という<障害>の発想は個人的には良いと思います。
ただ、そこでコソコソしたりしては救いようがありません。
どちらも子供過ぎますよね。YさんやYさんが狙っている雑誌の読者対象が、
「この男性素敵だな‥この女性かわいいな‥」と思えるでしょうか?

キャラクターには自分の理想を当てはめる事です!!

「私ってこんな女になりたかった‥」
「私ってこんな男と恋をしたい‥」
「私ってこんな奴を殺したい‥」

あるいはエピソードそのものにも願望を当てはめる事です!!

「もし、自分の人生がもう一度あったらこんな事をしてみたいな‥」
「もし、可能だったら夫の知らない所でこんな恋をしてみたいな‥」
「もし、許されるならあいつにこんな復讐の仕方をしてやりたいな‥」


Yさんのキャラやエピソードに感じられない部分はそこです。
作家にとってそこがマンガを描きたい強い動機付けにもなるはずです。

また、アイディアが浮かんである程度ストーリーの流れがまとまる状況の中で、
作品の<テーマ>を理解していますか?

<テーマ>とは難しく考える必要はありません。
Yさんの描きたい事」です。

Yさんはこの作品の中で
<コソコソした男性>を描きたいですか?
<男性に対し怒鳴る女性>を描きたいですか?
あるいは<そんな二人の仲直り>を描きたいですか?

どれも本気で描きたいとは思っていないはずです。
プロットは、作家が<テーマ>をきちんと再認識する為の大切な作業でもあるのです。

Yさんの描きたい事はなんでしょう?
それが明確になる事で、キャラの個性やエピソードにリアリティーが出てくるはずですし、
プロに近づく一歩になるはずです。


じゃあ、次のページでYさんが直してくれたものと、それをまた添削したものを紹介するね。








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